開催日:2015年11月8日
場所:高知県
参加者:40名(徳島4名、愛媛2名、香川1名、高知24名、四国外2名、一般7名)
内講師3名、全国連盟自然保護委員会理事の山本尚徳氏を除くと37名の参加でした。
参加人数は少なかったが、シカの繁殖による被害が剣山系三嶺や白髪山周辺にとどまらず、
石鎚山系にも今は顕著ではないが静かにその影響は押寄せているとの報告がありました。
特に最初に講演した三嶺の森をまもるみんなの会会長・高知大学名誉教授伊光良三氏の
年代別に驚くべき現状と題して講演は大変参考になりました。また、午後から同じく
三嶺の森をまもるみんなの会代表坂本彰さんのシカの食害の特徴についての講演も
初心者の私共にとってどのようなところに気をつけて見なければならないか!教えて頂きました。
香川県においてはシカの生息があまり見られないのですが、高知県・徳島県から県境の愛媛県一帯に
広がって来ているとの報告でした。
シカは通常、草や木葉や木の実を食料としているそうです。
山に餌がなくなると希少な高山植物が狙われ、次に樹木皮や笹に及び食い尽くしてしまいます。
農作物の年間被害額は2億8千万円にも登るそうです。
何時の日か人間と山との関わりが疎くなり、シカが繫殖したのではないか!
植生の維持がされなくなり、はげ山と化し土砂崩れや斜面の崩落といった自然災害に繫がっていく。
2,000年を前後してシカが繫殖し農産物や笹・樹木の食害が多くなり、2006年頃からはげ山の出現・土砂崩壊など
マスコミでも取り上げられるようになったそうです。
石鎚山ではまだ顕著ではないが、シカによる影響が水面下で進行していると三嶺の森をまもるみんなの会の坂本彰代表が
警鐘を鳴らしていました。
行政の役人さんや一般の方が山には入りません。
山を愛する登山者の山岳連盟の皆さんは山に頻繁に登っています。そこで果たすべき役割が大きい。
山の植生の変化や野生動物の目撃情報・糞の存在等、山屋ならではの事ができるのではないか!
そういう意味で勤労者山岳連盟が力を発揮して、山での情報収集を行い実態を把握して
県や行政に働きかけをして行こうではないか!と締め括られました。
(前田 隆)